自律神経とストレスとの関係性を解説!症状や漢方薬などの対処法もご紹介
ストレスは、自律神経の乱れを誘発するといわれています。しかし、ストレスが自律神経にもたらす影響など、なぜ自律神経が乱れるのかわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、自律神経とストレスとの因果関係を解説します。そのほか、ストレスの原因や有効な対処法などもまとめました。自律神経とストレスの関係性を理解して、楽しい日常生活を送りましょう。
自律神経とは
自律神経とは、臓器の機能やホルモンの分泌調整を担う神経系のこと です。交感神経と副交感神経で成り立っており、24時間365日休まず働いています。
【交感神経と副交感神経の役割】
- 交感神経:活動中に働く神経。心拍数の上昇、発汗など
- 副交感神経:休息中に働く神経。心拍数の低下、発汗の抑制など
交感神経と副交感神経が働くタイミングは同時ではなく、交互に入れ替わるのが基本です。昼間は交感神経が優位になるため、仕事などのパフォーマンスが維持されています。就寝中などは副交感神経が優位になることで、リラックスしているときに疲労を回復しています。
自律神経とストレスの関係
ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れることがあり、双方の結びつきは強いです。日常生活でストレスを感じた場合、体内では脳の働きを活発にするホルモン「コルチゾール」と「アドレナリン」が分泌されます。交感神経に刺激を与えることで、身体をストレスに負けない状態にするためです。
バランスがとれていれば交感神経が優位になったとしても、副交感神経に切り替わって身体を休められます。しかし、受けたストレスが強い、あるいはストレスにさらされる時間が長いと、コルチゾールとアドレナリンの分泌量が増えてしまうことも少なくありません。
交感神経の働きが長時間にわたり優位になるため、自律神経のバランスに崩れが生じます。副交感神経が優位に働くはずの就寝中でさえも交感神経が強くなり、身体にさまざまな不調が出やすくなります。
自律神経失調症とは
ストレスが原因で自律神経に乱れが生じると、「自律神経失調症」を引き起こす恐れがあります。自律神経失調症には4つのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。
【自律神経失調症のタイプと原因】
- 本態性型自律神経失調症:体質
- 神経症型自律神経失調症:身体の不調や軽度の精神的ストレス
- 心身症型自律神経失調症:日常生活におけるストレス
- 抗うつ型自律神経失調症:長期間にわたり受け続けたストレス
なかでも、心身症型自律神経失調症になる方は多く、心身に症状が現れます。なお、本態性型自律神経失調症は、生まれつき自律神経の乱れが起こりやすい方が該当するもので、ストレスはほぼ無関係です。抗うつ型自律神経失調症の場合は、うつ病に類似する症状が出るのが特徴であることを覚えておきましょう。
自律神経失調症の見極め方
ストレスにより自律神経失調症になると、肉体的および精神的な症状が現れます。症状の現れ方は人によってさまざまで、いくつもの不調がみられる方がいれば、ひとつの症状だけに悩まされる方もいます。
【自律神経失調症のチェック項目(肉体的症状)】
- めまい
- 悸や息切れ
- 肩こりや頭痛
- 下痢や便秘、食欲不振
- ほてりや発汗、冷え など
【自律神経失調症のチェック項目(精神的症状)】
- イライラ
- 焦りや不安、憂鬱になる
- 不眠
- 集中力や物事に対する意欲の低下
- 情緒不安定 など
これらの症状が、病気などに起因するものではないと診断された場合、自律神経失調症が疑われます。辛さを感じている場合は、医療機関の受診なども検討しましょう。
ストレスによる不調はほかにもある
ストレスが原因で発症する疾患は、自律神経失調症だけではありません。ストレスにより発症する可能性があるものを、ピックアップして簡単にまとめました。
うつ病
うつ病は、抑うつ状態の程度が重い疾患のことです。ストレスなどにより、集中力の低下や落ち込み、疲労感、睡眠障害など自律神経失調症に似た症状がみられます。
不眠症
不眠症は、人間に必要な睡眠がとりにくい状態を指します。ストレスにともなう中枢バランスの崩れが原因で、不眠症になった場合は脳が休む時間を確保しにくいでしょう。
ストレス性の発熱
ストレスを受けると身体あるいは顔に熱がこもる、あるいは発熱のような症状が出ることがあります。ストレスにより交感神経の働きが優位になり、熱っぽくなるのです。
自律神経の敵であるストレスの原因
自律神経に悪影響をおよぼしかねないストレスは、心理的なものと肉体的の2パターンに分類できます。
心理的ストレス
心理的ストレスは感情と関係が深く、イライラや怒り、緊張、不安などが挙げられます。プレッシャーのかかる仕事や立場、人間関係の問題などが要因となり、心に負荷がかかるのです。心理的ストレスを受けると交感神経の働きが強くなるため、発汗や動悸などの症状が身体に現れやすくなります。
肉体的ストレス
肉体的なストレスはホルモンバランスの乱れや睡眠時間の不足などによるものです。これらがストレスの原因となり、自律神経のバランスが崩れて身体にさまざまな不調が現れます。
ストレスにより自律神経が乱れたときの対処法
ストレスが原因で自律神経の乱れが生じたときは、以下の方法で対処することをおすすめします。
【対処法】
- 漢方薬
- ストレッチ
- 生活習慣の改善
- ストレスのコントロール
対処法について、ひとつずつみていきましょう。
漢方薬
漢方薬は、ストレスによる身体の不調に効果的とされています。症状や体質などに合わせて、適切な漢方薬を選ぶことが大切です。
【ストレスに効果的な漢方薬】
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
黄連解毒湯は、不眠症をはじめ、動悸やめまい、精神不安などの緩和に役立ちます。加味帰脾湯は、貧血に似たふらつき、精神的な疲れ、焦り・不安感などの改善に適しているでしょう。加味逍遥散は、イライラや気分の落ち込み、肩こり・頭痛、手足の冷えといった症状に効くとされています。
ストレッチ
適度なストレッチは、乱れた自律神経の改善につながるといわれています。身体を伸ばしたり動かしたりすることで、全身がリラックスした状態になり、自律神経のバランスを整えるためです。
ストレッチを行う際は、凝りを感じる部分や筋肉の固まりを実感する部分をほぐすように伸ばしてみましょう。一人では難しいと感じたら、家族に補助を頼むのも良いかもしれません。
生活習慣の改善
自律神経の乱れは、崩れた生活習慣を適切なものに戻すことでも改善できます。自律神経は体内時計を参考に働いており、生活習慣が崩れると自律神経もバランスが保てません。以下のポイントに気をつけるなど、生活習慣を見直してみましょう。とくに、夜型生活の方は注意が必要です。
【生活習慣を改善するポイント】
- 仕事を深夜の時間帯まで持ち込まない
- 食事は3食決まった時間に食べ、夜遅く以降の食事を極力控える
- 朝食は抜かずにしっかりとる
- 十分な睡眠時間を確保する
- 朝は太陽の光を浴びて体内時計をリセットする
すべてをきっちり行おうとすると、かえってストレスにつながることもあります。最初は無理なく、生活に取り入れやすいものを組み合わせて行うようにしましょう。
ストレスのコントロール
ストレスを適度にコントロールし、上手に付き合っていくことが、ストレスを解消して自律神経を整える近道です。ストレスと向き合う力を身につけておかないと、いざというときに心に負担がかかり、自律神経が乱れる恐れがあります。
溜まったストレスを解消するには、好きなことや心が落ち着くことに触れるのが良いでしょう。定期的に趣味に没頭するなど、コンスタントに行うのが大切です。自然の音が収録された音楽を聴くのも、心が安らぎストレス緩和に効果的です。
まとめ
自律神経はストレスによる影響を受けやすく、バランスが乱れると心身ともにさまざまな不調が現れます。こまめにストレスを解消するなど、イライラや不安を溜め込まない生活を心がけましょう。
安昇接骨院では、不調の原因を徹底的に究明し、症状を改善する「根本療法」 をモットーとしております。高根沢町周辺にお住まいの方でストレスによる身体の不調にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。