緊張型頭痛とは?主な原因や症状、偏頭痛との違いなども解説
「頭が痛い」とひと言で表しても、頭痛にはさまざまな種類があります。そのなかのひとつ、緊張型頭痛は約4,000万人もの日本人が悩んでいる といわれるほど、多くの方にとって身近な存在です。
そこで今回は、緊張型頭痛とは何かをテーマに、主な原因や代表的な症状を解説します。偏頭痛との違いもご説明するので、頭痛について気になっている方はぜひご覧ください。
緊張型頭痛とは
緊張型頭痛とは、ギュッと締め付けられたように頭が痛む症状のことです。痛みは弱いものから強いものまで、症状が起きたときによって異なります。
痛みを感じる場所は、後頭部から首の後ろまで広範囲にわたり、長時間症状が継続するのが特徴です。同時に肩や首がこるほか、首を動かしにくい症状も頭痛と一緒に現れます。首の筋肉を押すと、一部分に痛みを感じることがある点も、緊張型頭痛の特徴です。
緊張型頭痛は女性に多い
緊張型頭痛は男性よりも女性に多く、その割合は約1.5倍にものぼります。15歳以上の日本人のうち、約5人に1人が発症していることからも、緊張型頭痛は珍しくない症状といえるでしょう。
緊張型頭痛の原因とは
緊張型頭痛が起きる原因は、主にストレスです。ストレスは精神的なものだけでなく、身体と関係のあるものも含まれます。
たとえば、仕事や環境の変化にともなうストレスを受けた場合、人間の身体は筋肉あるいは神経が緊張状態になります。肩から首、頭にかけての筋肉が緊張して硬くなると血流が悪化し、筋肉にたまった疲労物質が神経に刺激を与え、締め付けるような痛みを感じてしまうのです。
デスクワークやスマホの長時間使用など、同じ姿勢を長時間とり続けているときも同じことがいえます。頭や首などの筋肉が硬くなりやすいため、頭痛を発症しやすくなります。
緊張型頭痛の症状とは
緊張型頭痛は、主に以下の症状が現れるのが特徴です。
【緊張型頭痛の主な症状】
- 痛みは後頭部が中心で、左右にじんわりとした痛みを感じる
- 頭が重い、あるいは頭全体を締め付けるような痛みを感じる
- 頭痛はあるが、寝込むほどではない
- 頭痛はあるが、光や音に敏感ではない
- ズキズキとした痛みは感じない
- 首あるいは肩がこる
- 吐き気をともなわない
- 頭あるいは身体を動かしても痛みは変わらない
緊張型頭痛は首や肩のこりを併発するケースが多い一方、ほかの症状が同時に現れることはほとんどありません。頭痛のみ、あるいは頭から肩にかけての筋肉のこりを感じたときは、緊張型頭痛の可能性があるといえるでしょう。
偏頭痛との違いとは
緊張型頭痛と同じくらい身近な頭痛に、偏頭痛があります。緊張型頭痛と偏頭痛の違いは、原因と主な症状の2つです。
偏頭痛の原因はストレスや寝不足、疲労、女性ホルモンなどによる脳血管の拡張です。脳血管が急激に広がると、周囲にある三叉神経が刺激を受けて炎症物質を生み出します。炎症物質が脳血管の拡張をさらにうながすことで、偏頭痛を発症するのです。
また、偏頭痛の主な症状は頭の片側もしくは両側に起きやすく、痛みの度合いが強いことなどが挙げられます。緊張型頭痛の特徴を比較する表を作成したので、ぜひ比べてみてください。
【偏頭痛と緊張型頭痛の症状の違い】
偏頭痛の主な症状 緊張型頭痛の主な特徴
- 痛みは頭の片側、あるいは両側に発生
- 痛みが現れる前に、ギザギザとした光が見えたり、言葉が出にくくなったりする前兆がある
- 日常生活に支障が出る程度の痛みを感じる
- 光や音に敏感になり、わずらわしいと感じる
- 脈を打つような痛みを感じる
- 痛みがひどいときは、吐き気または嘔吐することもある
- 頭あるいは身体を動かすと痛みが増す 痛みは後頭部が中心で、左右にじんわりとした痛みを感じる
- 頭が重い、あるいは頭全体を締め付けるような痛みを感じる
- 頭痛はあるが、寝込むほどではない
- 頭痛はあるが、光や音に敏感ではない
- ズキズキとした痛みは感じない
- 首あるいは肩がこる
- 吐き気をともなわない
- 頭あるいは身体を動かしても痛みは変わらない
偏頭痛と緊張型頭痛の症状では、前兆の有無も大きな違いのひとつです。光や言語症状のほかには、集中力の低下や空腹、眠気、頭痛が起こりそうな雰囲気などの予兆を感じ取る方もいます。ただし、偏頭痛は前兆がない場合もある ため、一概に前兆だけで偏頭痛と判断するのは難しいでしょう。
緊張型頭痛の種類とは
緊張型頭痛は「反復性緊張型頭痛」と「慢性緊張型頭痛」の2種類にわけられます。この2つはそれぞれ、原因や症状が異なります。
反復性緊張型頭痛とは
反復性緊張型頭痛とは、症状が軽く、短時間で治る頭痛のことです。頭から肩までの筋肉が緊張し、血流が悪化して頭痛を引き起こします。単に緊張型頭痛と表したときの原因や症状と、類似する点が多いです。
慢性緊張型頭痛とは
慢性緊張型頭痛とは、ほとんど毎日症状が現れる頭痛のことです。精神的なストレスのほか、脳自体が痛みを感じやすくなっていることが原因と考えられています。
10年以上も頭痛が続いた後、徐々に痛みが増し、頭痛の頻度も増えていくのが慢性緊張型頭痛の特徴です。うつ病をはじめとした、心の病を患っているケースも少なくありません。
慢性緊張型頭痛は、反復性緊張型頭痛よりも強い痛みを感じることが多く、人によっては脈を打つ痛みや動くと症状が悪化することもあります。偏頭痛と似た症状が現れるケースがあるため、セルフチェックの際は注意しましょう。
緊張型頭痛が起きたときの対処法とは
緊張型頭痛が起きたときは、気分転換や身体を温めるなどの方法が効果的です。ここからは、具体的な対処法を見ていきましょう。
気分を変えてリフレッシュ
緊張型頭痛を感じたら、気分転換になることに取り組んでみましょう。緊張型頭痛の原因の多くはストレスであり、症状を緩和するにはストレスから離れることが大切です。その場を離れる、少し横になるなど、気分を変えてみてください。
首や肩などを温める
首や肩を温める方法も、緊張型頭痛の症状緩和におすすめです。筋肉のこりがほぐれて、血行が良くなります。蒸しタオルをあてると良いですが、難しいようなら軽くストレッチをするだけでも効果が期待できます。
緊張型頭痛の予防法とは
緊張型頭痛の症状が出ないようにするためには、マッサージやストレスの解消などを心がけると良いでしょう。ここでは、詳しい予防法をご紹介します。
マッサージやストレッチ
定期的に肩や首を動かすなど、簡単なマッサージやストレッチは緊張型頭痛の予防に有効です。肩や首の筋肉がこりにくくなり、血流悪化を防げます。
あまり動けない状況なら、両肩をすぼめるように上げてから、下に落とすストレッチがおすすめです。最低10回程度実施すると、筋肉が適度にほぐれます。手を反対側の側頭部に添えて、首をゆっくり倒す方法も試してみてください。
ストレスを適度に解消する
緊張型頭痛を防ぎたいのであれば、日ごろからストレスをためないような生活を心がけることが大切です。ストレスをため込むと筋肉の緊張につながり、頭痛が起きるリスクが高まります。
ショッピングや旅行、スポーツなど好きなことがある方は、ぜひ定期的に行いましょう。ストレス解消法がない方は、ひとまず興味を持ったことに取り組んでみて、楽しいと思えることを続けてみてください。
運動を習慣づける
無理のない範囲で運動を続けると、緊張型頭痛の予防になります。運動とあわせて体操も取り入れると、肩や首の筋肉をほぐすことにもつながり、さらに予防効果が高まるでしょう。
まとめ
緊張型頭痛とは、頭が締め付けられるような痛みのことです。ズキズキと痛む偏頭痛とは原因などが異なりますが、慢性緊張型頭痛の場合は似た症状が現れることもあり、注意が必要です。緊張型頭痛が起きたら気分転換を心がけ、肩や首を温めるなどの対策をとりましょう。
もしも頭が痛くなったときに「緊張型頭痛ではなく偏頭痛かもしれない」と感じたら、安昇接骨院にご相談ください。患者様のお気持ちに寄り添い、問題の根本解決に向けて取り組みます。高根沢エリアにお住まいの方は、ぜひお気軽にご来院ください。